中年になってから、少し人生に迷っていた時期がある。
きっかけは、中小企業診断士の資格だった。
資格を取った以上、何か新しいことをやらなきゃいけない。
事業をやらなきゃいけない。
そんな焦りのようなものがあった。
ちょうどその頃、友人がマンションの区分投資をやっていた。
「不動産もいいかもしれない」と思い、自分も区分投資に手を出してみた。
ただ、やってみると、どうにも違和感があった。
大きな借金を背負うのはオーナー。
しかし、運営の主導権はほとんど管理会社にある。
キャッシュもそれほど残らない。
むしろ赤字だ。
「これは本当に自分の事業なのか?」
そんな疑問が、だんだんと大きくなっていった。
一方で、診断士としての活動もうまくいかなかった。
ベテラン診断士の先生に仕事をもらうために顔を出す。
副業としての仕事をもらいたいという下心もある。
そんな自分の姿に、だんだん嫌気が差してきた。
気がつけば、少し鬱っぽい状態になっていた。
今振り返れば、あれは典型的な「中年の危機」だったのかもしれない。
そんなとき、オンラインで「古家再生」という言葉を見かけた。
築古の戸建てを買い、自分の手も使いながら再生していく。
最初は半信半疑だったが、オンラインセミナーに参加してみると、妙に興味が湧いた。
それでも、すぐには動けなかった。
半年くらい悩んだと思う。
そして思い切って、物件ツアーというものに参加してみた。
そこで出会ったのが、築50年の古い戸建てだった。
結局、その物件を購入した。
区分マンション投資より、初期費用はかかった。
それでも、なぜかこちらの方が面白かった。
古家再生は、オーナーの裁量が大きい。
どう直すか、どう貸すか、どう関わるか。
自分で考え、自分で動く余地がたくさんある。
そして何より、手触りがあった。
古家に触れ、掃除をして、直していく。
リフォームを施して、古いものと新しいものが一体化していくーー。
そんな作業を通して、「ああ、自分はこういうことが好きだったのかもしれない」と、少しずつ思い出していった。
このブログでは、そんな古家再生の現場で起きたことや、そこで出会った人たちのことを書いていこうと思う。
柔術の話も、ときどき出てくるかもしれない。
どちらも、自分にとっては
人生を少しずつ整えてくれたものだから。

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